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文系エンジニアが放送大学に通い始めたことについて


この記事は 社会人学生 Advent Calendar 2022 の19日目の記事です。

今年の4月から放送大学で情報学を学んでいるアラサーマークアップエンジニアです。この記事では、放送大学についてと今まで学んだ8ヶ月を振り返りたいと思います。

放送大学に入った理由などは、以下のブログ記事に記載していますので今回は省きます。

授業の受け方

放送大学では、通常の大学と同じように前期/後期があります。それぞれの学期の途中に提出する課題と学期末にある単位認定試験に合格すると単位が取れます。課題と認定試験についてはWEBから行うことができます。

授業形態としては、大きく2つの授業形態があります。1つは、15回×45分によるオンライン or テレビでの授業、もう1つはWEB配信のみによるeラーニング形式の授業です。テレビでの受講は、一度もやったことはありませんが、番組表を確認して指定の時間に受講するものです。基本的にテレビ以外は自分の好きなタイミングで授業を受講することができます。

授業にはテキスト(教科書)が必ずありますが、テキストなしで受講することも可能です。ただ、テキストがないと厳しい場面が多い(特に試験)ので必須かなと思います。放送大学のオンラインサイト、Amazonや書店でも購入することができるので後で購入することも可能です。放送大学には、各拠点にサテライトスペースがありそこの図書館に教科書があるので貸し出しも可能です。

学生生活(仕事、育児、家事との両立)

前述した通りで、好きなタイミングで受講することが可能なので、仕事が終わった後や、休日にまとめて受講していました。

前期は、子供の寝かしつけを終えて22:00から2-3時間ほどと、休日の午後(土日どちらか)の4-5時間を放送大学の時間に充てていました。これで毎週6,7回の授業を受講できました。ただ仕事が忙しかったり息子がグズったり、休日に外出したりすると時間は減るので、ほとんど受講できない時もありました。試験前などは、家族にごめんなさいして休日フルで大学の授業を受けたりすることもありました。

自分の自由時間は大学に通い始めてから、急激に減りました。一時期それがストレスに感じることもありましたが、「必ず最低1時間は趣味のゲームをする!」などを決めてなんとか捻出していました。

家族には負担を掛けてしまったこともあり後期の始まるタイミングで2ヶ月の休暇を取って、後期は割と授業を順調に進めることができました。会社には感謝しかないです。

週5から週4勤務にすることで、負担を減らせそうなので来年以降はこのあたりにも視野に入れたいなと思います。

授業を受けて

数学とお友達になれた

受講している科目が多いので省略しますが、まず一番最初に数学の壁にぶち当たりました。自分は文系ということと、数学も赤点に近いレベルということもあり、予想はしていたのですが、数式が全く理解できず「これ無理かも…」と感じました。「log(対数)ってなに?」みたいな感じで初歩的な数学が全くわかりませんでした。これはアカン!と思ったので、まずは中学校の数学を学びなおしました。

この本で数学とお友達になりググりながらも数式を理解していけるようになりました。そもそも分数の計算もろくにできなかったので大きな成長をしたと感じます。

今まで読めなかった本が読めるようになった

前期はコンピューターの仕組みや、アルゴリズムの授業を、後期はデータベースだったり論理学、高校数学の授業を多く受けました。実は、大学に入る前にCSを独学しようと挫折した書籍が多くあったのですが、大学の授業を受けた後に読むと内容を理解することができるという効果がありました。

今は、データ指向アプリケーションデザインを少しずつ読んでいます。放送大学のデータベースの授業は「データベース(’17)」となっており2017年に開講した授業からアップデートがない状況です。この業界にいると技術の進歩が常にあるのでトレンドも変わるのは承知の上なので、授業の中では、データベースに限らず少々古い内容があったりします。そのあたりは書籍だったり、その他で補完していく必要はあります。

計算量を意識するようになった。

アルゴリズムの知識はスタック、キューのようなデータ構造やハッシュぐらいしか知りませんでしたが、授業を受けてソートの仕方によって計算量が変わることを数式と具体的なコード(Java)で確認することができました。今まで何となく配列は遅いとかパフォーマンスを効率化するためのTipsみたいな薄い知識しかありませんでした。アルゴリズムを理解することで普段コードを書く時に意識できるようになりました。

ネットワークやセキュリティの知識を学べた

ここが一番タメになった箇所です。セキュリティに関しては、基本的なことしか知らなかったので公開鍵暗号や共通鍵暗号がどういうアルゴリズムによって鍵交換しているかなどの基本的な知識を知ることができて学びの多い授業でした。

まとめ

コンピュータ・サイエンスを学ぶことは、僕に取って数学を学ぶことにほぼ等しいという感想です。数学は苦手だった自分が今では楽しく学ぶことができているのがちょっと信じられない感じです。ただ理解するのに理系の人と比べると圧倒的に時間が掛かるのでこの理解度、解像度を上げていきたいです。

放送大学は、学費が物凄く安いです。(今の所20万も掛かっていないんじゃないかな)経済的に余裕がない方でも取り組みやすいのが特徴です。自分は、最初単位は取れなくてもCSを学べれば良いと思っていました。しかし、授業をこなしていくことで単位を取ってちゃんと結果を出したい!という気持ちも芽生えました。最初は「勉強したい」ぐらいの気持ちで入学するのも、個人的にはおすすめかなと思っています。