映画 プロジェクト・ヘイル・メアリーの感想


※原作と映画のネタバレを含みますので、まだ見ていない人は注意してください。

IMAXで見てきた。

原作は発売した時と映画化に伴って内容思い出すついでに再読して臨んだ。同じ小説を再読することはほぼないが、あまりにも話題すぎたこともあり読んでみるかとなった。

映画の総括としては良かった。魔法でも使ったか?って思うぐらいにはまとまっていた。

プロジェクト・ヘイル・メアリーはSF作品ではあるが、見方によってはエモい人間ドラマだったり友情物語だったり色々な見方があると思っている。普段SF小説が好きな自分からするとアンディ・ウィアーは読みやすい部類だと思ってる。今回は人間ドラマに振り切った作品であったことで、グレースとロッキーの協力し合う描写、コミカルなやりとりが多かったのは非常に良かったと思う。

その反面、尺の関係も当然あるためSF要素の描写は削られていたように思う。ロッキーが酸素がダメなのは描写として分かるが、ロッキーが住む星では200℃であるとか、キセノナイトに関する説明なども詳しくはない。ただこんなことを説明してたら映画の時間が余裕で5時間とか、それ以上になってしまうので仕方ない部分である。

原作では、序盤で目覚めた後に、自分が何者か、ここがどこなのか、何で死人がいるのかなどを少しずつ理解していく過程が描かれているが、映画ではかなり早い段階で細かい描写がなく話が進んでいくので原作読んでいないとちょっとわからない部分などもあるかもなと感じた。

個人的には一番良かったのは、捕食者タウメーバを採取するシーンでの緊迫感だ。プロジェクト・ヘイル・メアリーは静と動の振り幅が大きい作品だと思っているが、大気圏付近でのハラハラ・ドキドキは映画館で見ていても緊張感が伝わってきて、すごく良かったと思う。ただ、原作では負傷したロッキーをグレースが運んで連れていくシーンがなかったり、一緒にタウメーバの問題を解決するシーンも違う形で置き換えられていたのはちょっと残念だった。

これも人間ドラマに振り切ったことによるものかもしれないが、ストラッドは原作では冷酷な人で、シゴデキ人として個人的には好きだったが、映画だと少し緩和されていた。(歌を歌ってるシーンとか原作から考えられない)

グレースは、地球にいた時はおそらく友人と言える人物はいなかったと原作でも映画でも描写があることから、そもそもグレースは地球を救いたくなかったのではと個人的には思っている。なので地球に帰還するか、ロッキーを助けに行くのかの選択を迫られた時に、ロッキーを助けに行くことを選んだのは、自然なのではと感じる。グレースにとって人生で初めての友人がロッキーなのだと。(誇張しすぎかもだけど)

最後に僕が一番期待していた原作でのクライマックスであるタウメーバを食べれば生き残れるじゃね?というロッキーのセリフとともにエリドに行き、グレースがミーバーガーを食べるシーンがなかったのが非常に残念ではあった。